AQLによる抜き取り検査とは、ロットから任意の個数を抜き取ったサンプルを検査することを意味しています。サンプル数は、品質を保証するレベル(AQL)によって決められます。設定したロットに対する判断基準により合否を判断し、不合格と判断された場合、そのロットはすべて処置されます。したがって、抜取検査で合格しても不適合品が混在していたり、本来は合格であっても不合格となったりする場合もあります。その許容範囲を受け入れた上で、抜取り検査を実施することになります。
一方、抜き取りではなく、製品すべてを検査する場合を「全数検査」と呼びます。
全数検査であれば高品質を保証できますが、以下のような全数検査ができない場合や必要のない場合は、抜取り検査を実施します。
●信頼性試験(寿命試験や破壊試験など)によって、製品が壊れてしまう場合。
●連続体(飲料や布地など)になっているため、すべてを検査できない場合。
●ロットが大量なため、ある程度不適合品が混入していても許容される場合。
●検査費用がかかりすぎるため、全数検査が不可能な場合。
●検査項目が多すぎる場合。
また、基本的に数量の多い材料や機材などは、抜き取り検査に適しています。
抜取検査においては、基本的にはロットで管理できなければなりません。
抜取り検査には、下記の種類があります。
●計数型抜取検査・計量型抜取検査
●基準型抜取検査・選別型抜取検査・調整型抜取検査・連続生産型抜取検査
●一回抜取検査・二回抜取検査・多回抜取検査・逐次抜取検査
ちなみに、AQL指標型抜取検査方式であるJIS Z 9015は、計数調整型抜き取り検査に属します。